2015年07月

oshiete
熾烈な戦闘の最中でも、他ブログの価格調査記事とは一歩違う角度で価格を見ることができる債務の騎士だ。
《一日のやり直し/Day's Undoing》効果で《急かし/Quicken》が高騰~、とか
《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》再録で《巣穴の煽動者/Warren Instigator》が~、とか
そんな誰でも知ってる情報はお金にならな…おっと、誰か来たようだ。幽霊議員かな?

daysundoingquicken
goblinpiledriverwarreninstigator


今日紹介するのは、これだ

loamprice
lifefromtheloam
こいつは2回くらい再録されているせいか、まだ暴騰というほどではないが
おそらくこの値動きは、オリジンの新録カード《溶鉄の渦/Molten Vortex》のせいだと思われる。

moltenseismicassault
《壌土からの生命/Life from the Loam》は、土地カードをコストにする呪文や能力で盤面を制圧する
ロームデッキのキーカードだ。しかし、序盤のマナ基盤が意外とタイトなので
現モダン環境ではそこまで目立った活躍はしていなかった。
《溶鉄の渦/Molten Vortex》の登場で、一発逆転とはなるのだろうか。



flagstoneprice
flagstoneoftrokair
本日の何だこれ枠は《トロウケアの敷石/Flagstone of Trokair》だ。
元々、モダンでヘイトベアがデッキ圧縮用に積んでいたり、土地破壊デッキが
《爆裂/Boom》を悪用するために搭載していたものだ。それにしても、不思議な価格上昇だな。
boombust

モダン・グランプリ3連戦も終わり、オリジン発売まで高騰は一旦落ち着くだろうか。
今後も目が離せないな!

emptythrone
大好評、白染ま!今回はヘイトベア特集です。

ヘイトベアとは、読んで字のごとく、憎たらしい熊…。
妨害能力を持った《灰色熊/Grizzly Bear》(2マナ2/2)相当のクリーチャーのことですね。
ウィニーの色である白が最も得意とするクリーチャー群です。

gaddockteegmeddlingmage
しかし、今の環境は多色の熊ばかり。
今回ばかりは彼らにはお休みしていただきましょう。



白いヘイトベアの歴史は意外と浅く、純粋に白いヘイトベアの始祖と言えるものは
オンスロートの《真実の信仰者/True Believer》でしょうか。
truebelieveraegisofthegods
黒の脅威、手札破壊から身を守れるほか、火力や《苦悶の触手/Tendrills of Agony》などによる
一撃死を防いでくれます。布告(生け贄)系除去も、ほとんどが"プレイヤー一人を対象とする"ので
見た目以上に幅広いヘイトを買ってくれます。
初出から10年以上経って、被覆が呪禁に置き換わった《神々の神盾/Aegis of the Gods》という
後継種が登場しましたが、タフネスの低さや割られやすさから、僕は信仰者をおすすめします。

samuraiofthepalecurtainkatakiwarswage
お次は神河ブロックから。
《薄青幕の侍/Samurai of the Pale Curtain》は当時スタンダードを支配していた親和デッキへの
対策として(アーティファクトが墓地に置かれた時に誘発するカードが多かったため)期待されるも
大きな結果を残せませんでした。
その後より直接的な対策として、今でもモダンやヴィンテージで使われる
《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage》が登場。このあたりから、ウィザーズ社の
"ちょっと環境のコントロールに失敗したら露骨な対策カードを次回エキスパンションで印刷する"方針が
明確になりましたね。

aethelswormcanonistkorfirewalker
《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》は、魔法金属エーテリウムによって
強化された生命体の次元、エスパーという設定を反映させたベアです。
《稲妻/Lightning Bolt》再録に沸いたこの時期ですが、同時に《コーの火歩き/Kor Firewalker》という
文字通り火消し役が抑止力になっていたとかなっていなかったとか。
今でもエターナル環境で使われるような水準のベアはこの辺りから増えるようになります。

leoninarbiterthaliaguardianofthraben
モダン、レガシーで大活躍のこの二人。
このころから、1ブロックに1体は白に2マナの"ベア枠"が設けられるようになった気がします。

imposingsovereigngrandabolisher
《威圧する君主/Imposing Sovereign》は先手では鬼神の如き強さで人間ビートダウンで大活躍しました。
《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》は、白という最もコンボに縁が無い色でなければ
もう少し使われていたかもしれません。

labirynthcontainmentpriesthallowedmoonlight
そして今現在、エターナル環境で存在感を発揮している最新のベアがこちら。
《迷宮の霊魂/Spirit of the Labirynth》は発表当初から騒がれた1枚で
《渦まく知識/Brainstorm》が跋扈するレガシーでは強力無比の一言。
《封じ込める僧侶/Containment Priest》は先日発表された《Hallowed Moonlight》との比較が
記憶に新しいですね。これもリアニメイトを始めとするマナコスト踏み倒し手段だらけの
レガシーで結果を残しています。

意外に新しいカードが多いヘイトベア達!
それだけ、昨今のクリーチャーの質が上がっているということなのでしょう。
単純に戦闘能力だけのクリーチャーもいいですが、ヘイトベアのようなクリーチャーを
使いこなしての勝利こそ、マジックというゲーム、そして白の哲学の醍醐味だと思いませんか!?

debttech
いつの時代も、環境を掌握するのはコントロールだ。
先日行われたアジア初のレガシーグランプリ、GP京都では奇跡コントロールが優勝した。
あのKarsten Cotterもレガシーにおいて最良の選択と言わしめるほど、
奇跡デッキのコントロール性能を称賛している。

しかしレガシーにおいて、コントロールとは青白だけのものなのだろうか。
答えはもちろん、否だ。

青黒ポックス - Sugita Tsubasa 3rd Place at MFC on 06/28/2015
Spell(36)
2 《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
3 《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
1 《冥府の教示者/Infernal Tutor》
3 《Hymn to Tourach》
4 《小悪疫/Smallpox》
1 《罠の橋/Ensnaring Bridge》
2 《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
2 《毒の濁流/Toxic Deluge》
4 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
2 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
2 《Nether Void》
2 《時を越えた探索/Dig Through Time》
Land(24)
1 《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》
1 《沼/Swamp》
2 《Bayou》
2 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》
2 《The Tabernacle at Pendrell Vale》
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
3 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3 《Underground Sea》
4 《汚染された三角州/Polluted Delta》
4 《不毛の大地/Wasteland》

Sideboard
2 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
3 《外科的摘出/Surgical Extraction》
1 《苦花/Bitterblossom》
2 《突然の衰微/Abrupt Decay》
2 《クローサの掌握/Krosan Grip》
2 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
3 《仕組まれた疫病/Engineered Plague》

digsmallpox
《時を越えた探索/Dig Through Time》はレガシー環境を一変させたパワーカードだ。
デルバーデッキを始め、手札を消耗する青いデッキには必ずといっていいほど投入されている。
もちろん、奇跡コントロールも例外ではない。
Sugitaが目をつけたのは、"盤面を掌握しきれなくしないための保険"という、マイナスの考えではなく
"こちらから消耗戦を仕掛けた上での補充"というプラスの思考だ。
そして青白から青黒というカラーにシフトしたことによる、攻めのコントロール構築に仕上がっている。

コンボ相手には、《暗黒の儀式/Dark Ritual》で攻め立てるのがいいだろう。
ハンデスと《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》があればプランの破滅は確実だ。

フェアデッキ相手は《小悪疫/Smallpox》と《不毛の大地/Wasteland》で土地を攻める。
ここ最近、デルバーは土地対策を怠ってきた。《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》の怖さを知るときだ。


nethervoidinfernal tutor
ポックス・デッキにおいて、ハンデスで干渉できない唯一の行動―トップデッキが一番脅威となる。
さらに黒という安定性に難のある色は、白を加えたコントロールに比べ不安定と思われるのも無理はない。
その点を、Sugitaは見事にカバーしている。
《Nether Void》は相手の行動に完全に蓋をする一撃だ。
こちらも動けなくなるが、《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》がいるので問題はない。
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》、《冥府の教示者/Infernal Tutor》は
明らかにトップデッキ勝負となることを見越した上での算段だろう。
青黒では《終末/Terminus》が使えないが、タイミングを問わない《毒の濁流/Toxic Deluge》をプレイできる。

サイドボードはさらに強烈だ。
《突然の衰微/Abrupt Decay》は投入するほとんどの相手に大打撃で、しかも対処法がない。
《仕組まれた疫病/Engineered Plague》は部族デッキを沈黙させるのに十分で
奇跡ではできない芸当だ。
1枚差しの《苦花/Bitterblossom》は、ライフを詰めるのが遅いデッキで対応するのは相当困難だろう。


数年前、モダンとエクステンデッドを制した八十岡翔太のデッキは青黒、そして緑がベースだった。
エターナル環境におけるUBというカラーには無限の可能性が眠っているのかもしれない。

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